共創活動のフレームワーク「サービスデザイン」で、
世の中をポジティブに変え続ける企業活動を。
Making the world better with Service Design,
the framework of effective co-creation.
サービスデザインは暮らしの中での多様な人と人、更にはモノ(情報含む)との包括的な関係が対象

WHY

背景

「未来のあたりまえとして定着するような、世の中をポジティブにシフトする多様なイノベーション」を皆さんと共に創出し続けたい。

このビジョンの背景には、現代においても、生活者はまだまだ大きな痛みを抱えており、また技術革新や社会動向の変化に伴い、新たな種類の痛みも次々と生まれてくる中で、一つでも多くの痛みを解決していきたいという熱い想いが込められています。イノベーションにはさまざまな種類や解釈がありますが、われわれが目指すイノベーションは「生活者と市場へ、ポジティブな意味付けを新たに与えるモノ・コト」であると規定しています。

意味転換の生じる「Innovation」

WHO

DNPのサービスデザイン・ラボ(SDL)とは

未来のあたりまえとなるようなイノベーションを生活者・企業・有識者・クリエイターとともにデザインする、
共創型の「サービスデザイン」手法の研究開発と実践に取り組む、広義のデザインチームです。

SDLに所属するサービスデザイナーは、サービスデザインコンサルタントとして、サービスデザインプロジェクトの設計とプロジェクトマネジメント、各種方法論、デザインツール、ファシリテーション、プロトタイピングの提供を行い、イノベーション創造活動へ従事しています。

who

4つの活動

  1. 実践

    BUSINESS PROJECT

    研究開発した独自の手法・ツールを使いさまざまなクライアントへ共創型のプロジェクトを提供しています。

  2. 組織のデザイン

    ORGANIZATION DESIGN

    DNPのインハウスデザイン部門として、自社を対象とした組織デザインに取り組んでいます。

    社員を対象としたデザイン思考のマインドセット(People)、ビジネスプロセスのリフレーミング(Process)、共創の場のデザイン(Place)からスタート。

    ビジネスのKGI達成に向けて、サービスデザイナーを派遣することでPDCAサイクルを回し続けています。

  3. 普及啓発

    COMMUNICATIONS

    サービスデザインという考え方を世の中に広め、より多くの方に興味を持ってもらえるよう、セミナー、講演やワークショップを開催しています。

  4. 研究開発

    RESEARCH

    サービスデザインの原則に即した独自の手法・ツールを、大学や企業とコラボレーションしながら日々研究開発を行い、学会等で発表しています。

MEMBER

山口博志

Manager

山口 博志

Hiroshi Yamaguchi

サービスデザイン・ラボ 部長。入社後、エンジニア、プランナーとして様々な業種業態の企業を対象に商品開発、ブランド開発、Web・店舗・工場でのサービス開発支援を担当。R&D部門移籍後、技術開発と並行しサービスデザイン手法の研究を開始。2013年「サービスデザイン・ラボ」設立。方法論のR&Dと並行し、サービスデザインによるイノベーション創出支援ビジネスを推進。科学技術振興機構(JST)外部専門家委員はじめ、青山学院大学・早稲田大学大学院招聘講師、山形大学客員准教授を拝命。趣味は息子とサッカー。
松藤和夫

Leader

松藤 和夫

Kazuo Matsufuji

入社後、情報処理に関する研究開発技術者として社内外の課題発掘・解決に従事。住空間関連の事業支援なども行ってきた。その後、新規事業創出を目的にサービスデザイン・ラボに合流。技術者としてのバックボーンを活かし、研究テーマの開発や、技術の新用途開発などのプロジェクトを得意とする。また、自ら事業を立ち上げるべく社外でも活動中。趣味は創作活動。
菅野加代子

Leader

菅野 加代子

Kayoko Kanno

大学ではコンピュータサイエンスを学び、入社後はITと印刷を主軸にした研究開発やR&D部門での研究戦略策定を4年間行い、その後シリコンバレーでの新規事業開発に1年従事。近年はデザイン思考型の業務プロセス開発と運用支援、事業創出支援、人材育成を行う組織デザインに取り組んでいる。また社内外の女性リーダーシッププログラムに選出され、海外のダイバーシティ先進企業や女性リーダーとのネットワークを構築するなどダイバーシティ推進にも関心が高い。趣味は旅行とフィールドワーク。
佐々木 晃洋

Service Designer

佐々木 晃洋

Akihiro Sasaki

福岡県出身。九州大学大学院卒業、デザインストラテジー修士。大学時代、独学でプログラミングを学び、エンジニアとして大日本印刷へ入社。3年間、画像処理の研究開発に従事した後、SDLに参加。現在は、クライアントとのデザインプロジェクトを主に担当し、製造業のサービス業化などの支援を行う。研究とビジネスの橋渡し役を志し、大学との方法論の共同研究プロジェクトにも参画。趣味はメダカの育成、水槽内のエコシステムデザインに日夜取り組む。3児の父。
鈴木英恵

Service Designer

鈴木 英恵

Hanae Suzuki

早稲田大学卒業後、大日本印刷に入社。ラボでは新サービス開発や新規事業開発のプロジェクト支援を担当。フィールドワークやデザインリサーチ起点でのサービスデザインを得意とする。バリアフリー事業やインクルーシブデザインに関わった経験から、障がい者を含む多様な視点を活かすサービスデザインに取り組む。DNPソーシャルアクションサービスMay ii(メイアイ)のサービス開発にもリサーチ担当として関わる。趣味はネコとバレエ。
松田久仁子

Service Designer

松田 久仁子

Kuniko Matsuda

慶應義塾大学にて應援指導部チアでの活動に励みながら、認知科学や情報、オーラルヒストリーを学ぶ。高校情報科教員免許・学校司書取得。入社後は、家電・医薬・食品・エンタメ業界などの幅広いマーケティング課題、特にインストアマーケティングの支援を中心に取り組んできた。新事業・新商品開発、ビジョン創出などの共創型のプロジェクト提供のほかに、大学・高校講義での啓蒙活動や、社内の組織デザインを行う。現在、山形大学工学部招聘講師を務める。また、グラフィックレコーダ―としても活動中。趣味は茶道とスポーツ観戦。
宮下智至

Service Designer

宮下 智至

Satoshi Miyashita

入社後、決済システム開発PJのプロジェクトマネジャーに従事していたため金融/テクノロジー領域を得意とする。主な業務は、デザイン思考の組織浸透プログラムの開発・実践支援、新規事業アクセラレーションメンバーとしての実践支援。大学では人間中心設計による協働サービスロボットのコンセプト・アルゴリズム開発及び実装・評価といった研究に取り組んだ。工学修士。趣味は筋トレ・ボディメイク。2019年ボディコンテスト入賞。食事やトレーニング指導者としても活動中。

and more members...

上記紹介メンバー以外にも、エンジニアリングやグラフィックデザインなどの分野に精通した様々なバックボーンのメンバーがおります。各プロジェクトやテーマに合わせて最適なメンバーをアサインします。

WHAT

サービスデザインとは

サービスデザインとは、『生活者が感じる「体験価値」を重視し、個々のタッチポイントのデザインにとどまらず、事業としてサービス全体をデザインしていく行為』です。

サービスデザインは、サービス開発にとどまらず製品開発、ビジョン創造、事業創造、組織デザイン、公共サービスデザインなど、幅広い分野のプロジェクトを対象としています。
私たちはデザインシンキングの基本となる広義のデザイナーのマインドに加え、以下の要点でプロジェクトを進めています。

アプローチの主な特徴

  1. 4つの基本プロセス
    「発見(Discover)」「定義(Define)」「展開(Develop)」「実現(Deliver)」で実施
    1回で終わらせるのではなく、何度も繰り返して磨いていく
  2. 各ステップごとにツールや手法を適宜活用する
  3. 多様性を生かした共創・オープンイノベーション型のプロジェクトとして進める
  4. 生活者、サービス提供者など包括的な視点で体験価値をデザインする
  5. 複数のタッチポイントを組み合わせて一連のサービス体験を設計する

行動デザイン(Behavior Design)とは

行動科学(行動経済学)+デザイン=行動デザイン
行動経済学や行動科学の知見を用いて、人の行動変容、習慣化を支援するデザイン手法です。
※本サイトの「行動デザイン」は、欧米を中心に研究されている学術用語で、「Behavior Design」の訳語です。

本人がしたほうがいいと思っていてもできていない行動を、製品やサービス、環境のデザインを通じて支援する領域です。

行動デザインによって障壁を乗り越え理想を達成する

「理想の体験」を描いてサービスを構想しても、ユーザーは挫折や、長続きしなかったりと思ったように行動してくれません。挫折や、やりたくてもなかなか続かないアクションに対して、「行動デザイン」を適用することで習慣化/行動変容を促します。

HOW

独自のメソッド

デザインツール・独自のメソッドをつかって、オーセンティックなサービスデザインのアプローチだけでは達成することが
困難な「意味形成を伴うサービスイノベーション」の創出をめざします。

サービスデザインの大きな特徴の一つは、生活者をリサーチの対象としてみるのではなく、デザインチームに迎え入れて実行する点にあります。そのため、一部の専門性を有したデザイナーだけが実践できれば良いといったものではなく、デザインリテラシーが揃わないメンバーでも使いこなせるようにデザインツールや手続きを整えておく必要があります。

SDLでは、実際のビジネスにおけるイノベーション創造活動を通じて抽出したさまざまな課題を対象に、あまたあるデザインツールを組み合わせながら、またさまざまなビジネスメソッドと自らの経験則を掛け合わせながら、独自のメソッドを形成し、誰もが使える状態へと昇華する活動を続けています。中でも特にオーセンティックなサービスデザインのアプローチだけでは達成することが困難な「意味形成を伴うサービスイノベーション」を創出するための手法研究に注力し、慶応義塾大学経済学部 武山政直教授との共同研究に取り組んできました。

下記では、研究成果として実際のビジネスの中でも実績のあるサービスデザインメソッドを紹介します。

METHOD

BDSD

Behavior Design × Service Design

サービスデザインの人間理解や意味的解釈を重視した発想に、科学的知見やデータの裏付けを持つ行動デザインのナレッジを取り入れた、「行動変容のためのサービスデザイン」手法です。(ServDes.2020採択論文)

bdsd
サービスデザインは、ユーザーの体験を中心に、それを支える従業員の業務プロセスや事業モデルを含めてサービスを包括的にデザインすることを目的とし、共感や意味解釈、参加型デザインといった手続きによって特徴づけられます。一方、行動デザインは、ユーザーの特定の対象行動に焦点を当て、その障壁の診断と介入施策の検討を、行動科学の知見とエビデンスに基づいて行います。
BDSD手法は、これらの包括的かつ共感的アプローチと、行動特化の科学的アプローチの利点を補完的に組み合わせたデザイン手法です。本手法は、DNPと慶應義塾大学武山研究室が共同開発した手法です。

DDSI

Design Driven Service Innovation

生活者の価値観自体の「意味転換」によって、全く異なる世界観を取り入れて新規事業やマーケットを発想する「ビジョン提唱型サービスデザイン」の為の手法です。(ServDes.2016採択論文)

DDSI紹介動画(2分45秒)
ddsi

本手法は、既存事業の顧客ニーズからではなく社会変動から今後重要性が増す生活上の新たな課題領域に注目して、生活者の価値観変化を構造化し生活革新を引き起こす事業ビジョンを創出します。本手法では「デザイン・ドリブン・イノベーション」の考え方を、サービス経済の現代に即する形式で取り入れており、有識者との対話や解釈、アナロジー発想などを通じ世界観を醸成していきます。 本手法で創出できる事業ビジョンは、新市場を切り開くような新たな文化になり得るスケールのものになると考えています。


手法の特長
  1. 社会変動をふまえて既存事業をリフレーミング
  2. 文脈融合技法で生活革新サービスのビジョンを形成
  3. ビジョン主導のサービスデザインで領域再編の事業を創出

ICBD

Internal Consensus Building Design

ICBD は多様なステークホルダーがプロセスの進捗とともに加わる共創デザインプロセスに特化した合意形成手法です。(ISIDC 2014採択論文)

icbd
サービスモデル・ビジネスモデル構築までのステップを分解し、各ステップで「必要となるメンバー」と「合意形成を円滑に行う上で障害となるキーファクター」を整理し、これらのキーファクターを解決するためのデザインツールを選定しました。

OEJD

Open Experience Journey Design

オープンイノベーション型で実行する、アイデアがジャンプすることを重視したサービスデザイン手法です。 このOEJDは、DNPと慶應義塾大学武山研究室が共同開発した手法です。(ServDes.2012採択論文)

OEJD紹介動画(2分30秒)
oejd
OEJDは、生活者と企業、クリエイターなど参加メンバーの多様性を引き出すことで、アイデアがジャンプすることを重視したサービスデザイン手法です。一つのシーンや製品体験にとどまらず、消費にかかわる一連の体験を旅の行程(Journey)のように描き出すことでサービスの利用者自身が普段は意識することのない想いや憧れをかなえる体験と、その実現に不可欠なネットワークシステムをデザインします。OEJDでは、CJM、SPLというツール・手法を用いています。

CJM

Customer Journey Map

CJMは、生活者のサービス利用時の流れに沿った一連の体験を、旅の行程(Journey)のように描き出して可視化するツールです。
一連の体験の中で、サービス利用者(生活者)とサービス提供者との、個々のタッチポイントでのやりとり(インタラクション)を、 感情の起伏やコスト面も含めて描き出します。
利用者の体験を包括的に把握することで、 対象となる生活者(ペルソナ)の心理状況を重視して、何をどのタイミングで用意すべきなのかを具体化していく設計図とも言えます。

cjm

SPL

Service Prototyping Lab

SPLは演技表現(アクティングアウト)型のプロトタイピング手法です。 アイデア創出の対象となる生活シーンをスクリーンに投影して、その場で思いついたアイデアを演技で表現します。
会議室でホワイトボードの前で議論するといった方法と比べて、議論の対象としている生活シーンを、参加者全員が共有できる、その場でコンテンツのペーパープロトタイピングまでを実施し、 アイデアを検証できるといった特徴があり、無駄なアイデア出しを省略できる点が優れています。

spl

WHERE

共創の場

共創の場「P&Iラボ・コラボレーション」は共創型デザインプロジェクトを効果的に行える場所です。
“共創マインドのスイッチが入る空間”をコンセプトに、家具の配置や動線設計など、スペースデザインにこだわりました。
仮説やアイデアの検証、具体的な課題や改善点の抽出を目的とした「プロトタイプ」が制作できる工具類や材料、実証実験が行えるプロジェクターやスクリーンを完備しています。